QA ENGINEとは
QA ENGINEは学習データを用いた精度の高い自動応答・テキスト分類のSaaSです。分類項目を設定し、各分類項目に対して分類されるべきテキストを学習データとして5つ以上登録します。QA ENGINEは登録された情報から独自モデルを生成し、未知のテキストを該当する項目に正確に分類することが可能となります。
管理会計における支払い情報の分類ニーズ
金融機関における金融商品ごとの事業費算出や、事業会社における取引先ごとの支払い項目の把握など、経営における意思決定や業務管理を目的とした社内会計情報(管理会計)の作成は重要な業務と位置付けられています。管理会計を行うには、膨大な支払い申請などの情報から、その内容や種類を正確に把握し、用途ごとに分類する必要がありますが、多くの企業では、支払い情報を人が目視で確認・分類しています。
目視での確認は費用と手間がかかる上、確認する人によって分類にばらつきが発生することが課題とされます。また、対象情報が大量に存在する場合は処理するのに相応の時間を要するため、経営判断など必要なタイミングで管理会計情報が得られないということも起こりえます。
そこでAIを活用して、正確に、迅速に支払い情報を分類することができれば、その処理にかかる業務プロセスの効率化を図ることができ、また処理件数の増加にも耐えうる体制になります。
QA ENGINEが導入された背景
QA ENGINEは少ない学習データで正確に判断できる独自モデルを生成することができるのが特徴です。全社の管理会計を担当していたチームが、勘定科目の仕訳や商品ごとの分類の自動化を検討をする中で、解決策となるソリューションを調査し、解決策の一つの候補としてQA ENGINEが選ばれました。
まずはQA ENGINEの有用性を確認する目的で、分類項目を絞った少量のデータで検証を行いました。機械学習用のデータは、過年度の分類結果データをそのまま活用できるため、データ準備には時間を要せず、スムースに検証がスタートできました。QA ENGINEによって生成された分類モデルに対し、未学習のテストデータで分類精度を検証したところ、約85%の精度を確認できました。この結果から、学習用データを増やして再度機械学習を実施し、分類モデルをアップデートすればさらなる精度向上が期待できると判断し、本格運用を見据えた検証フェーズに移行しました。
この検証フェーズでは、実際の運用業務を想定して分類項目を追加し、また各分類項目ごとの学習用データ量も増やして検証を実施しました。最終的な結果としては、95%を超える精度を実現いたしました。
業務で運用する場合には、分類精度もさることながら、企業の既存業務システムと連携して運用できるなど、導入における負荷が少ないことが重要な判断基準となりますが、QA ENGINEのAPIを活用することで、既存業務システムと連携して利用できることも確認ができたため、採択にいたりました。

導入の効果
QA ENGINEの導入により、今まで人で行なっていた管理会計のための分類業務を自動化することで、人件費の削減と時間の短縮を実現できました。また、導入初年度においては、分類モデルの構築や検証作業が必要ですが、一旦精度の良い分類モデルが構築できると、分類項目に変更がない限り、分類モデルのアップデートが不要となるため、次年度以降の運用工数は極めて低く抑えることができました。
まとめ
文書等を独自の分類項目に割り当てる作業が多くの現場で行われています。この作業をAIに任せることで均質化と作業者の負担軽減を図ることができます。またQA ENGINEは少ない学習データで高精度なモデルを生成できることから、システムの立ち上げが簡単で、継続的に運営する負担も軽く済ませることができます。
テキストの分類タスクの自動化についてはお気軽にご相談ください。